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家賃滞納Q&A

私のアパートの賃借人との契約書には、「家賃を1ヶ月でも滞納した場合には直ちに契約を解除できる」と書いてありますが、このとおりにできますか。
賃貸借契約書にそのような文言があっても、1・2ヶ月程度の滞納では賃借人との信頼関係が破壊されたとはみなされず、明け渡し請求はよほど悪質な状況がない限り認められません。

通常は3ヶ月ないし4ヶ月の滞納が必要です。また、契約書に「直ちに契約を解除できる」と記載してあったとしても、相手方に対し滞納賃料の催告(催促)をすることが必要です。
もっとも、契約書に「催告を要せずして」と書いてあれば、催告(催促)は必要ではありません。

滞納家賃の催告(催促)は口頭でも構いませんか。
法律上は口頭でも構いませんが、口頭では立証が困難なので、内容証明郵便で、相手方に対し、滞納賃料について一定の期間内に支払うよう催告(催促)し、さらに「前記期間内に支払いのない場合には、改めて通知をせず契約を解除します」との文言を加えれば、再度解除の通知を出す必要はなくなります。
具体的に、裁判手続から賃借人に対する現実の明け渡しに至るまでの経過はどうなりますか。
まず、弁護士が事件を受任して必要資料が揃えばすぐに裁判所へ訴えを提起することができます。

第1回の裁判期日は、訴訟提起から30日ないし40日程度で入ります。その時に相手からの特別な主張がなければ訴訟は終結し、ほぼ1ヶ月以内に明け渡しの判決が下されます。その後2週間を経過して控訴がなければ、裁判所に強制執行の申し立てをすることになります。

強制執行というのは、誰がどのようにするものなのですか。
強制執行は、確定判決(「債務名義」といいます)に基づき、裁判所の執行官が行います。

執行官はまず現場に赴き、1ヶ月以内に退居するよう賃借人に催告し、その催告に従わない場合には明け渡しの実力行使(断行)を行います。

「断行」とはどのようなものですか。
裁判所執行官とその補助者が、建物の内部にある債務者所有の家財道具や債務者本人を実力で排除することです。

この場合、建物の中から家財道具を排除することになりますから、1ヶ月程度これを保管する場所が必要となります。保管場所がない場合は執行補助者が場所を用意してくれますが、その保管費用が必要となります。

また、家財道具の量や部屋の広さなどによって執行補助者が用意する人夫やトラックの費用が必要となりますが、これら費用は催告後に見積もりが出されます。この断行費用はすべて裁判所執行官および執行補助者に対して直接支払うことになります。

排除した家財道具などはどうなるのですか。
約1ヶ月後に債務者が取りに来るように執行官から告知されますが、取りに来ない場合は競売に付されて売却されます。
弁護士費用以外にも強制執行の費用がかかることになるわけですか。
そのとおりです。

しかし、訴え提起から判決、執行官の催告、催告に応じない場合の断行、という順序を踏みますから、その過程で多くの家賃不払の賃借人は自ら退居することとなり、裁判所の断行(実力による排除)まで行わなければならない例はそれほど多くありません。

賃貸人が家賃不払の賃借人の部屋の鍵を勝手に変えたり、建物の中の動産を地下の物置に移してしまうことはできませんか。
家賃を滞納している賃借人でも、賃借物の占有権は、賃借人にありますから、その占有を侵害することは、民法上不法行為になり、場合によっては刑法上の問題にもなります。自力救済は法治国家では禁止されているのです。
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